アンマーとの思い出2(工具の配達ドライブ)

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小さな機械工具屋の社長をやっていたアンマー。家の中も、会社の机もいつも散らかっていた。
子どものときは、どの大人も完璧に近い大人に見えた。しかし、大人になるとアンマーへの見方が徐々に変化してくる。

はっきりいって片付けが得意ではない、アンマー。
取引先に言われたら、意志が弱く飲みにいってしまうアンマー。
全力で夫婦喧嘩をするアンマー。

いろんな不完全なところが徐々にみえてきて、アンマーのことが嫌いになる時期もあった。
しかし、更に大人になり自分も親になったら、アンマーは子育てや仕事にとても忙しかったこともわかるし、様々な悩みや葛藤を抱えながら生きてきたのだと気付いていった。

物心ついたときから、小学3年生で少年野球に入る前までは、アンマーが取引先に機械工具を配達するとき、私はよくちょこんと乗っていたことを覚えている。
町工場にちょこちょこついていっては、手や顔が真っ黒でかっぷくのいい取引先の社長に笑顔で接している。私はそのおじさん達の真っ黒ないで立ちはあの頃は怖かった。

そのおじさん達にアンマーはいつも元気に笑顔で対応していた。
これも大人になって気づいたが、私が営業マンになって客先に出向く時は、笑顔と元気な挨拶を心掛けている。今思うと、アンマー仕込みなのかもと思う。

アンマーとの配達ドライブは別に楽しいわけでもなく、苦痛なわけでもなく、ただ乗っていた。
ただ行く先々での人と接するさまをずっとみてきたんだなと思う。
アンマーのそんな背中をみて育ったのかもしれない。

そして、小学生になり私はアンマーをヒヤリとすることをやってしまった。
次は、そのアンマーを驚かせたことについて綴ろう。

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