認知症の社会課題ってなに?

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先週の新聞で、同居する家族が「今思うと、あのころから認知症だったのかもしれない」と感じた時期から、医療機関で認知症と診断されるまでに平均で16.2ヵ月かかっていることが太陽生命の調査でわかったとあった。

調査結果にコメントを寄せた日本認知症予防学会の浦上克哉代表理事(鳥取大教授)は「専門医の立場から見ると遅い」とし早期対応を呼びかけている。

日本のような高齢化社会では、介護を担う家族が減少しているため、介護の負担が集中しやすく、介護離職や介護疲労が深刻な問題となっている。

別居の親御さんがアルツハイマー型認知症となった友人のはなし

友人から「親がボケたかもしれない」と聞いていた。

最初は笑い話になるようなことが多かったが、病院を受診したのはそれから4年以上たっていたと思う。

受診できなかった理由は、親御さんが拒んだからだ。「健康診断にいこうね」と説得し検査、認知症だと診断された。

薬を処方されたが進行は早く診断から1年たたず娘だとわからない状態となっていたそうだ。

仕事をしながらの介護は非常に大変だったと思う。彼女が倒れてしまわないかと心配でたまらなかった。親御さんはデイサービスに通っていたが、仕事と育児をしながらの介護で彼女は疲労困憊だった。

親御さんはおむつを洗濯機に入れて回すし、いろいろ汚してしまう。一晩で家が散らかっていたり、通所を拒否すると送り出すのも簡単ではなかったそうだ。

仕事もままならない日も増えていった。この先自宅で過ごす事は難しくなる。コロナ禍ということもあり施設を探し始めて入所が決まるまで半年はかかった。

認知症を疑ったら早めに受診が良いのは多くの方が理解している。しかし認知症を疑うことに対して、本人が不安や恐怖を感じ、病院に行くことをためらうことが多い。プライドや尊厳を傷つけられたように受け取る場合も多く簡単ではないのだ。

認知症の親御さんに受診を促すための方法

まずは「健康診断の受診」として通院を促す。それでも受診することが困難な場合でも無理に嘘をついて連れて行くことはせず、まずはご本人が信頼を寄せているかかりつけ医など、第三者から受診を促してもらうことが効果的のようだ。

地域包括支援センターで相談する

認知症の親御さんを病院に連れて行くことが難しい場合、介護を始めとする高齢者のサポートを行っている「地域包括支援センター」に相談してほしい。

地域包括支援センターでは、認知症の専門医と連携し、認知症をはじめとする健康・生活に関する悩みを幅広く受け付けている。

認知症と診断された後の介護保険サービスについての相談にも対応しているため、親御さんのお住まいの地域の担当センターの連絡先を入手しておくと良い。

受診しないとどうなる?

認知症の受診を先延ばしにした結果、徘徊によって行方不明になったり、意思疎通が難しくなるそうだ。訪問看護をされている方に聞いた話だと、空き家に隠れてしまって見つけるのが困難だった話や、戦時中を思い出し、山にはいり防空壕を探して行方不明のまま見つかっていないケースもあるという。

今年の4月頃だったかNHKのあさイチで、介護についての番組があった。にしおかすみこさんがゲストで出ていて、とても素晴らしい内容だった。最近は認知症関連のテレビ番組やセミナーが増えていると感じる。親と一緒に見たり聞きに行くことで自分たちの身に起きた場合、早期受診に繋がるのではないか。また、第三者として受診を促す側になれるのではないか。認知症について理解を深め、正しい知識を持つことが必要だ。

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